あるデザイナーの妄想 20170728

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私が通っているコワーキングスペース、CASE Shinjuku のメンバーである猪原さんのブログを読みました。

阿佐ヶ谷駅高架下「ゴールド街」「ダイヤ街」「ディラ」完全消滅!「ビーンズ阿佐ヶ谷」にリニューアル!…の一方で気になるデザイナーさんの仕事 : NewsACT

デザインあるある、です。部下と上司というよりは、制作会社と施設運営会社(=顧客)のやりとりのような予感。以下、妄想……

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顧客からデータが来ないのは日常茶飯事です。しかし入稿が遅くなろうが、納期は延びません。これはこの業界の真理です。

あるいは、発注がそもそも休前日の午後で、週明けの午前中に納めて、などという場合もあります。こちらは金額が見合えば(あるいは、取引関係の力学によりやむを得ず)引き受けますが、素材が足りないなど、不明な点の確認は難しくなります。そりゃ、発注者が休みで連絡取れないんですもの。

リミットが近づいてもどうにもならない場合、制作側の責任にされてはたまらないので念押しすることになります。

制作「締め切りまでにデータが来ないと、仮に当ててあるギザギザデータで出力しちゃいますよ!」
顧客企業の担当「恒久的な掲示ってわけじゃないし、ま、いいです、それで。テナントさんにはうちから言っておきますよ(さっさと仕上げて)」

地雷としては序の口、想定しうる範囲です。

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そこそこいいビジュアルを作るのは、デザイナーならばもちろん可能ではあります。しかし、その品質を損なわず成果物と出来るかは、ステークホルダーを握れるか、関係者の利害関係、社内政治など、コミュニケーションに長けてないと難しいのです。

ちなみに、ひとりで引き受けると利害の板挟みに苦しむことになるので、コミュニケーション役(ディレクター、営業)と実働部隊を分けることで多くの制作現場は成り立っています。

※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません(多分)。

(初出: Facebook NotesNoteより転載)

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いがらしたけし